家を持とうとするときの疑問の代表格、「建売?注文住宅?どっちがいいの?」
でも、両者の違いやメリットを知っていれば、決断しやすくなります。「どんな家を建てたいか」という理想の家づくりのイメージと「ご予算」がはっきりしていれば、答えは自然と見えてくるでしょう。
- 目次
- 1. 建売と注文住宅の違い
- ・ 建売住宅とは?
- ・ 建売住宅のメリット
- ・ 建売住宅はなぜ安いの?
- ・ 建売住宅が向いている人
- ・ 注文住宅とは?
- ・ 注文住宅のメリット
- ・ 注文住宅が向いている人
- 2. 建売と注文住宅の価格差について
- ・ VEとは?
- 3. 注文住宅の実際の施工事例
- ・ 事例1 「壁の仕上げ材一つにもストーリーがある〜 (若草の家)木刷りの壁」 HP内受賞・メディア掲載あり
- ・ 事例2 「空・風光を生け捕るコートハウス」琉球漆喰 HP内受賞・メディア掲載あり
建売と注文住宅の違い
建売と注文住宅、それぞれの定義とメリットを説明していきます。
建売住宅とは
土地と住宅をセットで販売するもの。「分譲住宅」ともいいます。
建物は、購入者が決まる前に設計され建築が始まります。そのため購入者の意向は入らず個性やオリジナリティは期待できません。しかし規格住宅で建築するので分譲地一帯が同じ装いになり雰囲気は揃っていることが多いです。
建売住宅のメリット
- 費用が抑えられる(安い)
- 実際の物件を事前に見ることができる
- 購入を決めてから短期間で入居可能
建売住宅はなぜ安いの?
以下のような点で建売住宅は費用が抑えられます。
- 同じ規格で建築(=規格住宅)する場合、同じ材料をまとめて購入できるので値段が安くなる
- 短期間で施工することが多い
- 打合せにかかる人件費が少ない
建売住宅が向いている人
- 時間をかけずにマイホームが欲しい人、早く入居したい人
- 住む場所を重視する人にも(同じエリアでもコストが抑えられる)…(もっとも、これは都心ならではの話かもしれません。山梨ではあまり感じません)
注文住宅とは
土地を購入または持っている土地に、自由に設計して建てる一戸建て住宅。
建物のプランは間取り、電気(スイッチ・コンセント・照明器具など)、設備(給排水、給湯、冷暖房、換気など)断熱性能、仕上げ材等を順序だてて検討し決定します。
打合せに多くの時間が必要です。こだわりのある方は長期間の打合せも楽しいようです。プラン決定後、施工会社の選定。施工金額の決定は皆さん厳しい表情になります。規格住宅に比べてこだわった分だけ費用はかかります。
注文住宅のメリット
なんといっても「自由に」がポイント。土地の場所・建築会社・プランをご自身の好みを反映できます。着工から竣工までの現場を見ることができます。
注文住宅が向いている人
- 家づくりを楽しみたい人
- こだわりたい部分がある人
建売と注文住宅の価格差について
2022年度フラット35利用者調査集計表から下記の表のように価格差がありました。新築住宅を建設または購入する方はご融資先がフラット35利用者ばかりではないので参考にしてください。
全国 | 山梨県 | その他の地域 | |
建売住宅購入価額 (土地費用を含む) |
3530 | 2551.5 | 2770 |
注文住宅建設費 | 3445 | 3020.5 | 3303 |
表1 2022年度フラット35利用者の建売住宅購入価額・注文住宅建設費の中央値(単位:万円)
全国 | 山梨県 | その他の地域 | |
建売住宅購入価額 (土地費用を含む) |
3530 | 2551.5 | 2770 |
注文住宅建設費 (土地費用1千万円を加算) |
4445 | 4020.5 | 4303 |
表2 表1の注文住宅建設費に土地費用1000万円をプラスした場合の試算(単位:万円)
全国 | 山梨県 | その他の地域 | |
差額 | 915 | 1469 | 1533 |
表3:表2の差額 土地費用1千万円を加算した注文住宅建設費-建売住宅価額(単位:万円)
いえプロでは資金計画をたてて進めていきます。土地を購入する方にはご希望により郊外も視野にいれるようアドバイスします。予算に沿うように設計プラン計画段階からメリハリ(例えば1階床は無垢材、2階床は複合フローリング)をつけて考えるようアドバイスします。
また、建て主様に譲れない点など優先順位をつけていただきます。施工金額決定時に予算との差額が出てしまったときにVE提案を承諾・未承諾の決定がしやすくなります。建て主様に寄り添いながら導いていきます。
VEとは?
Q. 「VE」って何ですか?
A. 「Value Engineering(バリューエンジニアリング)」の略で、価値を下げずにコストを抑えることです。建築家さんと打合せしてきたイメージを崩すことなくコストを下げる提案になります。
作り上げたイメージは実現したい。でも予算が・・・そんなとき、予算に見合うように全体像を変えずに、価格を下げられる工夫を建て主様に行うことをVEと呼びます。
たとえば、
- 屋根の種類を低価格のものに変更する
- 無垢材の使用面積を減らす(例 リビングの床には無垢材を使うけど、2階の個々の部屋の床はフロアー(突板の複合フローリング)を使う。
- 天井・壁仕上げのクロスを金額が低い量産品へ変更する など
注文住宅の実際の施工事例
事例1 「壁の仕上げ材一つにもストーリーがある〜 (若草の家)木刷りの壁」 HP内受賞・メディア掲載あり
変化を受け止める「木刷りの壁」
建築家さんのコメント:『生活の中心となる1階の壁は、日本建築の壁の下地に用いる「木刷り」のように隙間を空けて板を張るレッドシダーの「木刷りの壁」としました。隙間には板を挟み棚にしたり、ものを引っ掛けたり、釘を打ったりと施主の生活の変化に合わせて使っていける道具のような壁です』
事例2 「空・風光を生け捕るコートハウス」琉球漆喰 HP内受賞・メディア掲載あり
「プロフェッショナルのぶつかり合い」
いえプロ担当者より:お施主様のたっての希望で実現した琉球漆喰の壁は天然の材料から作られる自然にも人にも優しい左官材料です。多孔質の素材が呼吸をすることで調湿、消臭の効果が得られます。
施工にあたっては建築家と職人さんがどちらもプロフェッショナルとして譲れない点がありいい意味でのバトルがあったと聞いています。
以上、「建売と注文住宅の違い」についてでした。
この記事を書いた人
いえプロコーディネーター 山田佳美
2010年 2級建築士取得。「美しい街並みをめざして」のスローガンを抱え山梨県内の50を超える建築サポートに携わりました